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コラム

界面活性剤の基礎知識:安全な選び方とお肌への影響

界面活性剤と聞くと、何となくお肌に悪そう・なるべく使いたくないという印象を持たれてる方も多いのではないでしょうか?

さらに最近では界面活性剤フリーのコスメも増えてきていて、界面活性剤は悪いものというイメージが強くなってきていると感じます。しかし、悪いイメージだけが先行してしまって、考えてみると界面活性剤についてあまり理解してないというお声もあります。

そこで今回は、界面活性剤についての「上手な付き合い方」についてお伝えします。

界面活性剤とは

異なる性質の液体や固体が、混ざらずに接している面を「界面」と呼びます。界面活性剤とは、界面に働きかけて性質を変化させる成分のことです。

構造として、1つの分子の中に、水になじみやすい「親水性」と、油になじみやすい「親油性」の2つの部分を持っています。この構造が、本来、水と油のように混じり合わないものを混ぜ合わせる働きをします。

界面活性剤には混ぜ合わせる働きと合わせて、汚れを落とす洗浄の働きもあり、代表的なものに石鹸(脂肪酸塩)があります。

石鹸の他にも、医薬品・化粧品・食品などの成分としても広く使われています。つまり、私たちの身の回りにある多くのものは界面活性剤の働きに支えられているのです。

そんな界面活性剤ですが、化粧品に含まれる働きとしては主に3つあります。

①乳化作用

本来なら混ざりあわない水と油を混ぜ合わせ安定させる乳化剤の働きがあり、代表的なものに乳液やクリームがあります。他にも、リキッドファンデーションや日焼け止めなど、長時間使う製品に含まれています。

②洗浄作用

水+界面活性剤を皮脂や汚れの油分と乳化させ落とす洗浄の働きがあり、代表的なものに洗顔・クレンジング・シャンプーがあります。

③浸透作用

美容成分などの浸透を促し、浸透性を高める働きがあり、美容液や化粧水などに含まれています。美容成分をお肌の皮脂膜や角質層に浸透しやすくします。

界面活性剤はあらゆる化粧品に使われ、欠かせないものとなっています。化粧品に使われている界面活性剤は安全性試験が行われており、基本的には安全です。

しかし、間違った使い方やお肌の状態によっては刺激が強い場合があるので界面活性剤とは上手に付き合うことが大切になります。

界面活性剤の基礎知識:天然・合成の違いと種類

界面活性剤には「天然界面活性剤」と「合成界面活性剤」の2種類に分けられます。

天然界面活性剤はもともと自然界に存在している成分です。牛乳に含まれるカゼイン・卵黄、大豆に含まれるレシチン、大豆やお茶に含まれるサポニンなどが該当します。

合成界面活性剤は人の手で科学的に合成して作られた成分です。石油から作るイメージがありますが、最近ではヤシ油など天然油脂を原料にした合成界面活性剤も出てきています。

・石油系合成界面活性剤

ラウリル硫酸Na・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの高級アルコール系・α-オレフィンスルフォン酸Naなどの石油系

・天然系合成界面活性剤

ラウリン酸Na(ココナッツオイルやヤシ油に主に含まれるもの)などの石けん系、アシルグルタミン酸(ヤシ油から精製されたもの)をはじめとするアミノ酸系、ショ糖脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル系、天然系合成界面活性剤に比べて、石油系合成界面活性剤は比較的安く大量生産できて、高い洗浄力を実現できることから、洗剤やシャンプーなどの生活用品の原料に使用されています。

身体に悪いイメージがあるのは、石油系合成界面活性剤といえるでしょう。さらに、合成界面活性剤は数1000種類ありますが、大きく4つに分けると次の通りになります。

アニオン界面活性剤

・乳化・分散性に優れている

・泡立ちが良い

・温度の影響を受けにくい

石鹸をはじめ、台所用洗剤・衣料用洗剤・シャンプー・ボディソープなど、ほとんどの洗浄剤に使用されています。

カチオン界面活性剤

・繊維などへ吸着する

・帯電防止効果がある

・殺菌性がある

ヘアリンス・衣料用柔軟剤・殺菌剤に使用されています。

両性界面活性剤

・皮膚への刺激が少ない

・水への溶解性に優れる

・洗浄力アップや気泡力向上など他の活性剤と相乗効果あり

洗浄・乳化補助剤として、高級シャンプー・コンディショナー・ベビー用のシャンプーなどに使用されています。

非イオン・ノニオン界面活性剤

・親水性と疎水性のバランスを調整できる

・乳化・可溶化力に優れる

・泡立ちが少ない

・温度の影響を受けやすい

・毒性や皮膚刺激性がほとんどない

衣料用洗剤、乳化・可溶化剤、分散剤、金属加工油に使用されています。

合成界面活性剤といえども特徴も力の強さも様々です。お肌に優しいものもありますし、お肌につけると危険なものもあります。 

化粧品に関しては、基本的にお肌に有害な成分は配合できないように定められています。

界面活性剤との付き合い方

界面活性剤にはさまざまな種類があることをご紹介しました。界面活性剤の使い過ぎは良くないとはいえ完全に避けることは難しいので、使わないというより上手に付き合うことが大切になります。

化粧品に使われている界面活性剤は基本的には毒性や安全性を確認された成分です。しかし、お肌が弱い方・アトピーの方・乾燥肌の方などは、使いすぎが肌トラブルの原因となることもあります。

界面活性剤は洗浄力を高める働きがあるものの、必要なうるおいまで奪ってしまい、お肌を守るために備わっているバリア機能を損ないやすいのがデメリットです。

お肌が弱っているとき、界面活性剤の種類(強さ)や、配合する量の組み合わせによってはトラブルの原因になる可能性があります。

お肌の表面にある皮脂膜は水分の蒸発を防ぐ役割を果たしていますが、この皮脂膜は脂溶性なので、界面活性剤の洗浄力で剥がれてしまいます。洗顔後にお肌がつっぱるのは、このせいと言えるでしょう。

また皮脂膜の下には、ほこりや菌などの外部刺激や水分の蒸発からお肌を守るバリア機能を備えた角質層があります。この角質層も、洗浄力が強い界面活性剤で洗うと傷ついてしまうことがあります。

また、界面活性剤の配合量が多くなりがちなのが、落とす力が必要となるクレンジングや洗顔料です。お肌が弱っているとき・敏感肌・トラブル肌の方は、界面活性剤の種類や配合量に注意して選び、すすぎはしっかりおこないましょう。

界面活性剤を選ぶ時、「不要な汚れは落とす」そして「皮脂を落とし過ぎない」特にこのポイントを押さえておきましょう。

合成界面活性剤の種類をチェックする時は、特に石油系の合成界面活性剤はお肌への刺激が強いことが知られているので注意し、ヤシ油やパーム油などの天然由来の成分が含まれているものを選ぶことをおすすめします。

また、お肌に直接つけるもの(化粧水)や、お肌に長時間つけるもの(ファンデーション・日焼け止め)に界面活性剤入りアイテムを選ぶ時は特に注意しましょう。

まとめ

界面活性剤についてご紹介しました。最近では、界面活性剤フリーのコスメも増えています。

購入するときには

・化粧品のラベルをチェックする

・手元にある化粧品の成分を知っておく

など、界面活性剤も意識するようにしてみてください。

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