出産後は様々なからだの変化を感じるようになります。出産は交通事故並みの衝撃とも言われるほどなので仕方ないでしょう。
その中でも特に産後ママの悩みに多いのが産後の抜け毛です。これは、出産後の女性のほとんどが経験することですが、わかっていても抜けることに不安を感じる方も多いと思います。
そこで今回は「産後に抜け毛が増える原因や対策・予防」について解説していきます。
目次
多くのママが経験する産後の抜け毛、その理由と向き合い方

産後の抜け毛とは、出産後に一時的に抜け毛が増加することです。出産後脱毛症と呼ばれ、程度や時期・期間には個人差がありますが、多くの産後ママが経験するといわれています。
産後2〜3ヶ月後くらいで抜けはじめを感じる方が多く、産後4〜6ヶ月頃に抜け毛のピークと感じるママが多いでしょう。期間としては、早い方で2〜3ヶ月程度・長いと1年以上の期間がかかる方もいて、発症から落ち着くまでの期間の個人差がかなりあります。
髪の毛は、普段でも1日で50〜100本は抜けていると言われますが、産後はこれ以上に抜けるのが特徴です。お風呂の排水溝や部屋に落ちた抜け毛の量を見て驚く方も多いでしょう。
個人差はあれども、ピークを越えると抜け毛の量は落ち着き、その分新しい毛も生えてきます。あまりにも抜けるので、このまま抜けていったらどうしようとか悩んでしまう方も多いと思いますが、あまり心配したり考えすぎないことが大切です。
産後脱毛症のメカニズム:女性ホルモンと育児によるからだの変化とは?

産後脱毛症は多くのママが経験する一時的な抜け毛の増加ですが、なぜこのような症状が出るのでしょうか?
その主な原因は、出産による女性ホルモンの急激な変動と、育児によるストレスや睡眠不足、栄養不足などからだへの負担にあります。産後脱毛症のメカニズムをわかりやすくお伝えします。
女性ホルモンの変化
産後の抜け毛の原因は女性ホルモンの変化にあるといわれています。
代表的な女性ホルモンは2種類あります。「エストロゲン」と「プロゲステロン」といわれるホルモンです。
エストロゲンは脳下垂体からの卵胞刺激ホルモンにより卵巣から分泌されます。卵胞を育てて、子宮内膜を厚くすることで受精卵の着床がしやすくしてくれる「妊娠の準備をするホルモン」です。
また、女性らしさやきれいにしてくれるホルモンともいわれ、お肌の調子を整えて肌荒れを防ぐ効果があります。
対してプロゲステロンは脳下垂体からの黄体形成ホルモンから分泌されます。
エストロゲンの作用により厚くなった子宮内膜をさらに妊娠しやすい状態にしたり、妊娠状態を維持するために必要な水分や栄養素をため込む作用がある「妊娠を助けるホルモン」です。
プロゲステロンが増えると、皮脂の分泌が増えたりからだがむくんだりと様々な不調を引き起こします。
・エストロゲン=月経〜排卵の間(卵胞期)に分泌量が増加
・プロゲステロン=排卵~次の月経までの間(黄体期)に分泌量が増加
女性の月経は微妙なホルモンバランスの上に成り立っています。
生理周期に合わせて交互に増減を繰り替えす女性ホルモンですが、妊娠中はいずれのホルモンも分泌量が大幅に増えます。
一方、1本の毛髪が成長しはじめてから抜け落ちるまでの周期をヘアサイクルと呼びますが、ヘアサイクルには
髪の毛が生える「成長期」
↓
髪の毛が抜ける「退行期」
↓
髪の毛が生える準備期間の「休止期」
の3つのサイクルがあります。
女性ホルモンにはヘアサイクルが成長期から退行期・休止期に移行するのを抑制する働きがあります。妊娠中に女性ホルモンが増えるとヘアサイクルに影響し、妊娠中は髪の毛が抜けにくい状態になります。出産を終えると、女性ホルモンの分泌量は妊娠前の状態に戻ります。
この時、これまで女性ホルモンの働きにより成長期で維持されていた髪が退行期・休止期に入るため、一時的に抜け毛が増加します。これが「出産後脱毛」です。
この妊娠による女性ホルモンの変化が、出産後脱毛の原因の一つであるといわれています。
産後のストレスや睡眠不足・母乳育児による栄養不足
産後の女性は全治2か月の交通事故と同じくらいのダメージを受けているといわれているぐらいの状態です。
そのようなただでさえダメージを受けている産後のからだであることに加え、新生児のお世話によるストレスや睡眠不足により頭皮環境はますます悪化してしまうでしょう。
また、母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源でありますが、母乳育児はママの栄養が赤ちゃんに取られてしまいます。そうなると、ママは栄養不足やカロリー不足になってしまい必要な栄養が髪や頭皮に行き届かなくなってしまいます。
このようなさまざまな結果、健康な髪が育ちにくい環境になってしまい、出産後脱毛の原因にもなってしまいます。
産後の抜け毛に負けない!今すぐ始めたい3つの対策

産後の抜け毛の原因について解説しましたが、女性ホルモンの変化も産後の状態もすべて仕方のないことであり、産後の抜け毛は避けられないことなので、大切なことは「気にしないこと」です。
産後の抜け毛を気にしすぎるとストレスとなり、そのストレスが抜け毛を加速させてしまうこともあります。産後の抜け毛は個人差はあれどいつか生えてきます。
どうしても気になる方は「今日からでもできる対策・予防」を紹介しますので、参考にしてください。
対策①:できるだけ質の良い睡眠をとる
髪にとって睡眠はとても大切ですが、授乳や夜泣きなど、慣れない育児で忙しい産後のママにとって熟睡は難しい方がほとんどだと思います。短時間でも熟睡しやすいポイントを紹介します。
・布団やベッドで眠る
・就寝前はスマホをさわらない
・あたたかい飲み物など、安眠効果のある飲み物を飲む
一つでも良いので意識してみましょう。他にも、昼間でもいいので赤ちゃんが寝たら自分も寝たり、リラックスアイテムを取り入れるのもおすすめです。
ご主人やご家族など頼れるところは頼りましょう。一人で頑張らなくてもいいのです!少しずつ意識してみてください。
対策②:栄養バランスを整える
栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。偏った食事をしていると、髪だけではなく、からだ全体にも栄養が行き渡りません。
特に産後のママのからだは、母体の回復と母乳づくりに栄養が取られるため、髪の主成分であるタンパク質や、代謝促進効果が期待できるビタミンB群、タンパク質を作る亜鉛などを含む食材を積極的に摂ることをおすすめします。
特に意識して摂りたいのは、髪の毛の元となるタンパク質です。
・肉
・卵
・魚
・大豆類
などに多く含まれています。髪の材料であるタンパク質を積極的に摂ることが、健康な髪を作り、育てることにつながります。
産後は子育てに家事に忙しい時期です。ゆっくり食事を用意したり摂ったりする時間がないという方は、惣菜や宅配なども利用しましょう。栄養不足は髪だけでなく体調も崩してしまう可能性があります。
栄養たっぷりの食事を心がけ、難しい時はサプリメントも活用することも考えましょう。
対策③:髪や頭皮に優しいシャンプーを選ぶ
洗浄力が強いシャンプーは刺激が強く、お肌が弱ってる産後には避けた方がベターです。
天然由来成分を取り入れていたりオーガニックシャンプーなどのなるべく低刺激なシャンプーや、適度な洗浄力があり、お肌にやさしいアミノ酸系シャンプーをおすすめします。
また、保湿成分も一緒に入っていると頭皮の乾燥も防げるのでぜひ、試してみてください。
まとめ
産後の抜け毛は一種の生理現象のようなもので病気ではありません。あまり気にしすぎるとストレスに繋がり抜け毛が悪化する可能性もあります。
「産後は抜け毛が増えるものなんだ」とあらかじめ理解しておくことが大切です。産後の抜け毛はいつか落ち着きます。気楽に待ちましょう!
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