春になると乾燥・かゆみ・吹き出物などの肌荒れを感じる人が増えます。肌荒れの原因に花粉などを一番に思い浮かべる方も多いと思いますが、春の肌荒れの原因は花粉だけではありません。
そこで今回は春に起きやすい「肌荒れの原因や対策」についてお伝えいたします。
目次
花粉による肌荒れの原因と予防法

花粉症といえば、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどが代表的な症状ですが、皮膚にトラブルが起きることもあります。
・目の周り・ほほ・鼻・口の周りなどがかゆくなる
・湿疹が現れる
・赤くなってガサガサに荒れる
といった症状を引き起こすこともあるのです。これを「花粉皮膚炎」とよび、お肌が露出している顔や首に症状が出やすいのが特徴です。
春は花粉が一年で一番多い時期であるため、肌荒れを起こしやすくなるということなのです。
花粉による肌荒れはなぜ起こるのか?
皮膚は大きく分けて外側から表皮→真皮→皮下組織で構成されています。表皮はさらに4層に分かれており、もっとも外側が「角質層」です。
乾燥と密接な関係にあるのが、表皮の1番外側にあるこの「角質層」です。
角質層は、角質細胞と細胞の間を埋めている細胞間脂質から成り立っています。角質細胞はアミノ酸・塩類などの天然保湿因子で満たされ、細胞間脂質はコレステロールやセラミドなどで満たされています。その角質層には「バリア機能」という役目があります。
私たちのからだは、この角質層の「バリア機能」によって、アレルギーの原因物質・細菌・ウイルスなどの体内への侵入を防いだり、体内の水分が皮膚から失われるのを防いだりしています。
私たちのお肌は「バリア機能」によって守られています。しかし、お肌の乾燥などによって角層の細胞同士にすき間が生じ、皮膚のバリア機能が低下すると、お肌は外部の刺激に対して敏感になってしまいます。
このようなバリア機能が低下した皮膚にとっては花粉も刺激となります。
お肌に花粉が付着すると免疫システムが働き、アレルギー反応が生じやすくなり、その結果として、お肌のかゆみ・湿疹・赤みといったトラブルが起きてしまうのです。
特に、スギ花粉のシーズンである2月〜4月は空気が乾燥しているためお肌も乾燥しやすく、皮膚のバリア機能が低下しやすい季節です。ただでさえバリア機能が低下しやすい季節なのに、花粉の飛散も多くなるので、花粉による肌トラブルが起きやすくなってしまうのです。
PM2.5によるお肌ダメージとそのメカニズム

PM2.5は主に中国で発生すると言われていますが、偏西風に乗って大量のPM2.5が日本に飛来してきています。偏西風は春や秋に強くなる傾向なので、日本では春や秋にPM2.5の濃度が高くなります。
このPM2.5が春の肌荒れに関係しています。
PM2.5がお肌に及ぼす影響
PM2.5などの大気汚染の外部刺激は、肌内部に活性酸素(フリーラジカル)が発生しやすい状況を作り出します。
活性酸素は本来、その高い酸化力で体内に入り込んだウイルスや細菌類を撃退したり、酵素の働きを促進したりしてからだを守る働きをしています。
しかし、活性酸素が過剰に生成されると、細胞を傷害し、がん・心血管疾患・生活習慣病などさまざまな疾患をもたらす要因となってしまいます。
そのため、体内には活性酸素を分解する酵素があり、さらには活性酸素の傷害から生体を防御する抗酸化作用というシステムが備わっています。酵素により活性酸素の発生を抑え、抗酸化作用により酸化で生じたダメージの修復・再生を促す働きをしています。
しかし、何らかの原因で抗酸化作用以上に活性酸素が過剰に産生されたり、年齢により酵素が減少してしまうと、活性酸素が抗酸化作用を上回る状態になってしまいます。
この状態を「酸化ストレス」と呼び、お肌にも影響を及ぼします。
酸化ストレスによってお肌の機能が正常に働かなくなり、老化や、シミ・シワ・たるみ・くすみ・お肌のバリア機能及び保湿機能の低下・肌荒れ・乾燥等のさまざまな肌トラブルを引き起こします。
紫外線が増えることによる肌荒れ
紫外線も春の肌荒れに大きく影響してきます。紫外線とは、地上に届く太陽光に含まれる波長の1つです。
このうちお肌に影響を与える紫外線にはUV-A(A紫外線)とUV-B(B紫外線)の2種類があります。UV-AとUV-Bそれぞれどのように影響があるのかご説明いたします。
紫外線がお肌に与える影響
① UV-A
UV-Aはお肌の奥の真皮にまで到達します。一日浴びた程度ではお肌の状態が変わるといった急激な変化は起こりませんが、表皮を通過して奥の真皮にまで届くことで、じわじわとお肌に深いダメージを蓄積していきます。
お肌の奥まで届き、線維芽細胞にまで損傷をあたえることで、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などの分泌量が低下してしまうので、光老化の主な原因だとみられています。
光老化はお肌の弾力を失い、たるみを生じる原因ともなります。40代頃から、シワ・たるみなどが目立つようになるのはUV-Aの影響です。
また、UV-Aを浴びると、既存のメラニンが光酸化されて濃い色のメラニンに変わることで即時黒化(一時黒化)します。これは一種の防衛反応で、お肌を黒くすることで紫外線が皮膚の奥深くまで達するのを防ごうとしているのです。
UV-Aのお肌への影響は、弾力を失わせ、シワ・たるみなどを引き起こすようになります。
② UV-B
地上に届く紫外線の約1割を占めています。1割程度しかないUV-Bですが、UV-B波は波長が短く、主にお肌の表面に働きかけるのでお肌表面に対する影響力はとても強いです。
UV-Bを浴びた数時間後に、お肌が炎症を起こして赤くなり、やけどのような状態(サンバーン)になります。日焼けしてお肌がヒリヒリしたり、水ぶくれができたりするのはUV-Bの影響によるものです。
このサンバーンが焼失した数日後にお肌が黒っぽくなります。これを遅延型黒化(二次黒化)と呼びます。また、強いエネルギーのUV-Bを浴び続けると皮膚がんの原因にもなるといわれています。
屋外での日焼けの主な原因となるため、UV-Bはレジャー紫外線とも呼ばれています。アウトドアやレジャー後の日焼けや乾燥の原因です。UV-Bのお肌への影響は、シミが多いです。
春の紫外線による影響
2月末頃から紫外線量が増えてきます。春先は紫外線が急増するだけでなく「まだ肌寒いし、日差しも強くないから紫外線対策はしなくてよいかな」と油断しがちな時期です。
さらに冬の間の乾燥も相まって、お肌の状態は乾燥し、バリア機能が低下している状態の方が多いでしょう。
そんな状態のお肌でかつ紫外線対策を油断してしまっていると、紫外線をたくさん浴びてしまい、シミ・シワの原因となってしまったり、バリア機能はさらに低下してお肌は刺激に耐えられず、肌荒れにつながってしまいます。
春の肌荒れに対する対策

▶正しいスキンケアをする
お肌のこすりすぎはNGです。お肌をこすってしまうと、角層が剥がれ落ち、バリア機能が低下する原因になりますので、洗顔をするときは、洗顔料をよく泡立ててお肌を傷つけないように泡で顔を包みこみ、やさしく洗いましょう。
タオルドライの時も、清潔なタオルをそっとあてましょう。拭くというイメージより余分な水分を吸い取るようにし、お肌に負荷をかけないように気をつけましょう。
また、洗顔や入浴の後は、角質層がふやけた状態になっており、お肌のバリア機能が正常に働かなくなっています。
角質層にも隙間ができてしまっているので、時間の経過とともにどんどん水分が抜け出して、つっぱった感じやヒリヒリ感などの違和感が出てきます。
洗顔後・入浴後は時間を空けず、すぐに保湿しお肌のバリア機能を整えましょう。
▶花粉・PM2.5策を行う
原因となる花粉やPM2.5が、皮膚に付着しないようにすることが一番近道な予防です。
外出時には、メガネ・マスク・帽子・マフラーなどで顔や頭をなるべく覆い、浮遊している花粉やPM2.5が付着しないようにし、帰宅後、家に入る前に服の花粉を払い、顔や手を洗いましょう。
シャワーを浴びて髪も洗うことができればベストです。なるべく早く花粉・PM2.5・ほこりを洗い流しましょう。
また、花粉やPM2.5が多い時期は、外に干した洗濯物を介して花粉等が皮膚に触れ、身体に皮膚炎を生ずる可能性もあります。顔だけでなく身体に痒みが出やすい方は、花粉やPM2.5の多い時期は屋内に干すことをおすすめします。
▶紫外線対策を行う
夏に比べると紫外線量はまだまだ少ないですが、紫外線対策は行いましょう。
日焼け止めクリームは朝のスキンケアのルーティーンに組み込み、毎日忘れずに塗るようにしてください。特に春先はお肌がゆらぎやすいので保湿効果の高いものがおすすめです。
紫外線をなるべく浴びないために、サングラス・帽子・日傘などの日除けアイテムを使いましょう。
▶生活習慣を整える
質の良い睡眠をとることが大切です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、ターンオーバーを促してくれますので、質の高い睡眠をとって、成長ホルモンの分泌を促し、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
タンパク質・カリウムなど、お肌に必要な栄養素はたくさんありますが、特にビタミンを摂ることを意識しましょう。ビタミンは人がすこやかに生きるために欠かせない栄養素ですが、ほとんどのビタミンは体内で作られません。そのため、ビタミンは食事から摂取する必要があるのです。
質の良い睡眠・適度な運動・栄養バランスの良い食事を心がけて、規則正しい生活を送りましょう。
まとめ
寒い冬の間を過ごしたお肌は乾燥し、皮膚のバリア機能が低下した状態になっています。そこに春特有の原因によって刺激が加わると、肌荒れが起きることがあります。
今回ご紹介した対策を参考に、春の肌荒れの予防に努めましょう。
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