日本人の塩分摂取量は多いということをご存じでしょうか?
一日あたりの塩分摂取量は約10gとなっており、他国と比較しても大きく上回っています。塩に始まり、醤油やみそを多用している食生活が塩分過多の原因と言われています。
塩分を摂りすぎると、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの様々な病気を引き起こすのはご存知の方が多いと思いますが、お肌にも悪影響を与えていることはあまり知られていないようです。
そこで今回は「塩分とお肌の関係」についてお伝えしていきます。
目次
塩分について

世界的に見て、日本人の食事における塩分摂取量は多いと言われています。
厚生労働省では、日本人の一日あたりの食塩摂取の目標量は成人男性は7.5g未満、成人女性は6.5g未満(「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より)となっているところ、平均摂取量は10gとなっています。
昨今の健康志向もあり年々減ってきてはいますが、世界保健機関(WHO)が推奨している量は1日5gであり、日本はまだまだ高い基準であることがわかります。もともと和食では塩分量が高い調味料を使う料理が多いことが挙げられます。
また、日本人が大好きなラーメン・ファストフード・ポテトチップスにも塩分は多量に使われており、これらが塩分過多につながると言われています。
生きていく上で非常に大切な塩の効果
塩の過剰摂取は身体に害ですが、身体にとって欠かすことのできない大切なものです。塩は人間の体の中で「ナトリウムイオン」と「塩化物イオン」に分かれて存在し、生きていく上で4つの大切な働きをしています。
栄養の吸収や消化を助ける
身体の中にある塩化物イオンは胃酸の主成分であり、胃で食べ物を消化したり殺菌したりしています。また、ナトリウムイオンは、小腸で食べ物から得た栄養(アミノ酸やブドウ糖など)の吸収を助けています。
酸素や栄養分を全身に運んでいる
人間の体の細胞は細胞外液に囲まれています。細胞外液は酸素や栄養分を全身に運び、二酸化炭素や老廃物を体外へ運ぶために重要な役割を果たしています。
ナトリウムイオン・塩化物イオンはこの細胞体液に多く含まれており、細胞体液の量を維持しています。また、細胞が正常に働くために、細胞外液の濃度を維持しています。
刺激や動く命令の伝達
温かいものや冷たいものを触ったときなど、その刺激を脳に伝えたり、脳から手や足を動かすように筋肉に命令を伝えたりするのに神経細胞があります。ナトリウムイオンは、神経細胞が刺激や命令を伝えるときに必要です。
塩が不足するとこの伝達がうまくいかなくなり、体調不良などを引き起こします。夏の暑い日に激しい運動をすると足がつったりしますが、汗をかいて身体のナトリウムが極端に不足した結果です。
食欲や味覚の正常化
適切な塩味は食欲を増進させます。また塩味の刺激によって、おいしさを感じる正常な味覚が保たれています。あまりに塩気のない食事を続けると、味覚がにぶくなり食欲が落ちてしまいます。
塩分は適正量摂ることが大切
身体の中の塩分は、腎臓の働きにより一定に保たれています。通常の食事や運動をしている場合には足りなくなることはありませんが、下痢や激しい発汗などで急激に失われることがあります。
身体の中の塩分が足りなくなると、疲労感・食欲不振・血液濃縮・頭痛・吐き気・筋肉のけいれんなどさまざまな脱水症状が現れます。逆に塩分を過剰摂取すると、喉の渇きやむくみが現れます。
また、塩分の過剰摂取は血圧の上昇の原因になります。
脳卒中・高血圧・動脈硬化・心肥大・心不全・虚血症心疾患・腎障害など、命に関わる病気にもつながりかねません。生きていく上で欠かすことのできない塩分ですが、塩分は適量を摂ることが非常に大切になります。
塩分の摂りすぎも不足も身体に悪影響を及ぼすのです。
塩分過多がお肌に与える影響

塩分は体にとって、とても大切な働きをしています。
体内では、ナトリウムとカリウムによって塩分濃度がバランスよく保たれています。細胞内液の塩分濃度が高くなると、細胞外へナトリウムを排出して、細胞外にあるカリウムを細胞内に取りこみ塩分濃度を一定に保っているのです。
しかし塩分を過剰に摂取すると、体内のナトリウム量が増え過ぎてしまい細胞外液のカリウム量とのバランスが維持できなくなります。
そうなるとカリウムの代わりに体内の水分を取り込んで塩分濃度を調整しようとします。つまり過剰な塩分摂取は、細胞内の水分をたくさん消費する状態になってしまいます。これにより4つの肌トラブルを招くことになります。
トラブル① お肌の乾燥・シワ
体内の水分を多量に消費するということは、お肌を潤す水分も消費してしまいます。そうなるとお肌の水分不足になり乾燥につながります。さらにお肌の乾燥は乾燥小じわを引き起こしてしまいます。
トラブル② お肌の乾燥によるターンオーバーの乱れ
お肌が乾燥すると肌内部を守ろうとターンオーバーのスピードを速めて角質細胞を急いで作ろうとしてしまいます。
急いで作られた細胞は未熟なため、うるおいを保つ保水機能が十分ではありません。保水機能が不十分な角質細胞ができることでお肌がますます乾燥し、乾燥の悪循環を生み出してしまいます。
さらに、急いで作られた細胞はバリア機能も未熟です。ぽっかり毛穴・弾力不足・シミなどの様々な肌トラブルにつながってしまいます。
トラブル③ むくみ
塩分の摂り過ぎる食生活が続くと、身体は体内の塩分濃度を一定に保たせるためにさらに水分をため込もうとします。そうなると皮膚の下の組織に余分な水分が溜まり、むくみにつながります。
トラブル④ 糖化の悪化
塩分の摂りすぎが糖化を悪化させると言われています。糖化の過程で発生するAGEsが、細胞の表面にあるRAGEと結合すると、細胞はその刺激で炎症物質を放出し、周りの細胞に炎症が起こります。
さらに新たな活性酸素も発生し、炎症が強くなり肌トラブルにつながります。
塩分摂取で気を付けたいこと

塩分は適正量摂取することが大切です。塩分の正しい摂取方法や身体が悲鳴を上げないような塩分の摂取方法をご紹介します。
適正量摂取しよう
厚生労働省では、日本人の一日あたりの食塩摂取の目標量は成人男性は7.5g未満、成人女性は6.5g未満となっています。
外食・ファーストフード・お菓子・おつまみなど、味が濃くて美味しいと感じるものには自炊するよりも多くの塩分が含まれている可能性があります。ラーメンだと5〜6グラム入っているとされていますので、1食で1日の塩分量を摂取してしまうことになります。
普段からそういった塩分の多い食べ物を控えることを心掛け、ソース・ケチャップ・醤油などの調味料を使うのは少量にしましょう。
具体的には調味料小さじ1杯分で、塩は5.9g、醤油は0.9g、味噌は0.7gくらいの塩分が含まれています。これを一日の塩分量に置き換えて考えてみましょう。
また、最近はおいしく使える減塩調味料が増えています。日本人が摂取している塩分の約4割は塩・醤油・味噌由来の3つといわれているので、そのうち何かひとつでも減塩商品に替えることで、手軽に減塩を始めることができるでしょう。
カリウムを意識して摂取しよう
体内では、摂りすぎてしまった塩分はカリウムが調整してくれます。そのため、カリウムを多く含んでいる食べ物を意識して摂ることもおすすめします。
カリウムは、いも類・海藻類・豆類・果物(りんご・バナナ・キウイ)などに多く含まれています。普段から積極的に摂ることも良いですが、塩分を摂りすぎたと感じた時は特に意識的に摂るようにしましょう。
注意として、腎臓の機能が低下している人は、カリウムの摂取量に制限がある場合があるので気を付けてください。
まとめ
塩分を摂り過ぎると、あらゆる病気や肌トラブルを引き起こしてしまいます。しかし、摂りすぎもよくありません。何度も言いますが、塩分は適正量摂ることが大切になります。普段の食事を見直して、健康のために美肌のために摂取方法を工夫してみてくださいね。
あなたの悩みを解決する商品を取り揃えております。ぜひ、ご覧ください。
>> オンラインショップはこちら