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肌の豆知識

ストレスがお肌に与える影響とは

イライラするとお肌が荒れるという言葉、耳にすることも多いと思います。イライラするとなぜお肌が荒れてしまうのか?と疑問を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、ストレスが原因の肌荒れはどのように起こっているのかという点についてご説明いたします。

ストレスとは

厚生労働省ではストレスについて、「外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のこと。その原因となる外的刺激(ストレッサー)とそれに対する私たちの心身の反応(ストレス反応)とを合わせてストレスと呼ばれることもある。」と述べています。

つまり、ストレスとは外側から何らかの刺激を受けた時に、身体が動揺や緊張を感じることです。ストレスを与える刺激要因をストレッサーと言います。

ストレッサーには大きく

・身体的要因

・心理的要因

・社会的要因

の三つに分けられます。

ストレスについて考えると生活環境での不安・緊張・イライラなどの心理的なストレスをイメージする方も多いと思いますが、

・暑さや寒さといった気温の変化

・有害物質など物理的なもの

・睡眠不足など生理的なもの

これらもストレスに繋がっていて、わたしたちの身の回りは様々なストレッサーに囲まれているのです。

このストレスをため込んでしまうと、頭痛・吐き気・めまいを引き起こしたり、さらに重症化してしまうと過呼吸・心筋梗塞など様々な症状が引き起こされます。

肌荒れも例外ではありません。

ストレスについて悪い影響をご紹介しましたが、ストレスは必ずしも悪い方向に働くとは限りません。例えば遠足の前の日にドキドキして興奮するのもストレスですが、このストレスは身体にとっては心地よく感じられる良いストレスでしょう。

また、大切な場面で緊張感を持って取り組むことで、達成感を得られ自信向上につながることもあるのです。人が精神的に成長するためにも、ストレスは必要な要素ともいえるのです。

ストレスを感じるとお肌が荒れる理由

ストレスはからだに変化を与え、ストレスによって様々な肌トラブルを引き起こします。ストレスによりお肌が荒れる原因について、代表的なものを3つご紹介いたします。

自律神経の乱れ

ストレスにより自律神経が乱れることで、肌トラブルが引き起こされます。人間の身体は、脈拍・体温・臓器の働きをコントロールするために自律神経という神経が機能しています。

自律神経は呼吸・体温・血圧・心拍・消化・代謝・排尿・排便など、生きていく上で欠かせない生命活動を維持するために24時間365日、休むことなく働き続けています。

自律神経には2つの種類があり、主に日中、活動的に動いている時に働く「交感神経」と、夜眠る前などリラックスしている時に働く「副交感神経」があります。

交感神経と副交感神経の働きは1日の中でリズムがあり、時間帯によって変化しています。昼間はしっかりと動いて、夜になると自然と眠くなり、そして翌朝はまた活動に向けて体が動き出すというような健康的な毎日を支えているのが自律神経の規則正しいリズムなのです。

しかし、夜更かしや朝寝坊をしたり、食事の時間がバラバラだったりして生活習慣を乱してしまうと、自律神経も乱れます。

自律神経が乱れてしまうと、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできなくなり、常に緊張状態になってしまったり、リラックスすることができなくなってしまい、しまいには動悸・息切れ・血圧上昇・食欲低下・便秘や下痢など身体に様々な不調が現れてきます。

自律神経の乱れは身体にとって避けたいことなのです。その自律神経の乱れは生活習慣の乱れだけでなく、ストレスによっても引き起こされます。

ストレスを感じると、交感神経が優位になり自律神経が乱れ、血管が収縮し、血行不良を招きやすくなります。

血行不良はお肌の温度低下へとつながっていき、その結果としてお肌のバリア機能が低下しやすくなります。お肌を外部刺激などから守るバリア機能が低下してしまうと、お肌の乾燥・ニキビ・肌荒れにつながってしまいます。

ターンオーバーの乱れ

ストレスにより自律神経が乱されると血行不良を引き起こします。血行が悪くなると、からだ中に酸素・栄養素が行き届かなくなります。これはお肌も同じです。お肌に必要な酸素・栄養が行き届かず、新陳代謝である表側の生まれ変わりが起こりにくくなり、古くなった角質がいつまでもお肌に残ってしまいます。

新陳代謝がうまく行われないということは、ターンオーバーが乱れてしまうということです。ターンオーバーが乱れたり遅くなってしまうと、シミやニキビ跡の原因となるメラニンがうまく排出されずに古い細胞とともに蓄積され、これが繰り返されると、やがて色素沈着が起こり、シミ・ニキビ跡の原因につながります。

また、はがれ落ちるべき皮膚が角質層に蓄積することで、皮膚が厚くなる『角質肥厚』という現象が起こります。

これはお肌のごわつき・くすみの原因となります。角質肥厚は光を反射しづらく、老けた印象につながります。

またターンオーバーが早くなってしまうと、新しい皮膚の細胞が未成熟のまま肌表面に現れる『不全角化』が起こりやすくなります。不全角化してしまうと、敏感肌になってしまいます。

さらに不全角化を繰り返すと、お肌のキメがなくなって、ビニール肌になってしまうこともあります。また不全角化によって毛穴・角栓が目立つようになり、毛穴に皮脂が溜まりやすく、そこでアクネ菌が増殖し炎症を起こすことでニキビの原因にもなります。

ストレスはお肌の健康に大切なターンオーバーを乱してしまい、様々な肌トラブルを招いてしまうのです。

ホルモンの乱れ

代表的な女性ホルモンには2種類の女性ホルモンがあります。「エストロゲン」と「プロゲステロン」といわれるホルモンです。

エストロゲンは卵胞を育てて、子宮内膜を厚くすることで受精卵の着床がしやすくしてくれる作用から「妊娠を助ける」ホルモンと言われており、また、女性らしさや綺麗にしてくれる「美肌ホルモン」とも言われ、お肌の調子を整えて肌荒れを防ぐ効果があります。

対してプロゲステロンはエストロゲンの作用により厚くなった子宮内膜をさらに妊娠しやすい状態にしたり、妊娠状態を維持するために必要な水分や栄養素をため込む作用がある「妊娠を助けるホルモン」です。

プロゲステロンが増えると、皮脂の分泌が増えたりからだがむくんだりと様々な不調を引き起こします。

エストロゲンは、月経〜排卵の間(卵胞期)に分泌量が増加し、プロゲステロンは排卵〜次の月経までの間(黄体期)に分泌量が増加します。

女性の月経は、この2つのホルモンの絶妙なバランスの上に成り立っています。

そんな女性のからだにストレスがかかると、エストロゲンの分泌が低下してしまいます。美肌ホルモンでもあるエストロゲンの分泌が減少すると、お肌の乾燥を招いたり、様々な肌トラブルを引き起こしてしまいます。

また、ストレスから身を守るために分泌される男性ホルモンがあります。男性ホルモンが増えると皮脂分泌が多くなり、皮脂過多・毛穴詰まり・ニキビ発生などの肌トラブルにつながってしまいます。

ストレスを感じないために

ストレスによる肌荒れを治すためには、肌荒れにアプローチすることも必要ですが、根本的解決にはならないでしょう。

まずストレスを上手にコントロールする方法を見つけることが大切です。しかし、ストレス社会とよばれる現代社会において、ストレスをゼロにするのは難しいです。ストレスに打ち勝てる身体を作ったり、うまく発散する方法を見つけましょう。

生活習慣の改善

ストレスに勝てる身体を作るためには、まず生活習慣を改善して自律神経を整え、質の良い睡眠をとりましょう。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、ターンオーバーを促してくれます。

成長ホルモンは質の高い睡眠を取ることでより分泌されるため、質の良い睡眠をとって、成長ホルモンの分泌を促しましょう。

また、栄養バランスの良い食事を心がけることも大切です。タンパク質やカリウムなどお肌に必要な栄養素はたくさんありますが、特にビタミンを摂ることを意識しましょう。

ビタミンは人がすこやかに生きるために欠かせない栄養素ですが、ほとんどのビタミンは体内で作られません。そのため、ビタミンは食事から摂取する必要があるのです。

質の良い睡眠・適度な運動・栄養バランスの良い食事を心がけて、規則正しい生活を送ることが自律神経が整い、ターンオーバーが整うことにつながります。

ストレスコントロールを身につける

ストレスコントロールとは、自分が落ち着く行動を行うことで、意識的にストレスを軽減することです。

例えば

・友人と食事に行く

・運動をする

・好きな本や映画に没頭する

などです。ストレスを感じた時に、自分が心地よく没頭できるストレスコントロール法をたくさん持っておくと、ストレスとうまく付き合えるようになり、結果として肌荒れも防ぐことができます。

リラックス時間を設ける

ストレスを感じてからケアするストレスコントロールだけでなく、毎日数分でも良いのでリラックス時間を設けるようにしましょう。

・ラベンダーなどの好きなアロマ

・カモマイルやルイボスなどのハーブティーを飲む

・ゆっくりお風呂に浸かる

など、ご自身の好きなことを行いリラックスする習慣をつけましょう。リラックス時間を設けることでストレスを感じにくい身体作りに繋がるでしょう。上手に心身を整えましょう。

まとめ

現代は「ストレス社会」と言われています。わたしたちの回りにはストレッサーが多いので過度なストレス状態が長期にわたって続き、身体への負担が大きくなる事で抵抗力が落ちてしまったりします。

しかし悪いストレスだけではないので、ストレスとうまく付き合っていくことが大切になります。不快なストレスはため込まず、自分にあった解消法でお肌と身体の健康のために、積極的にリフレッシュしましょう。

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