近年、PM2.5や黄砂などの大気汚染物質の影響が問題となっています。このPM2.5は非常に小さい大気汚染物質で呼吸器系等への影響があると言われていますが、体だけでなくお肌にも悪影響を及ぼしているのはご存じでしょうか?
そこで今回は、PM2.5がどのようなもので、お肌にどのような影響が出るのか、対策はあるのか・・・についてお伝えしたいと思います。
目次
PM2.5とは?
PM2.5とは、気中に浮遊する粒子状物質(Particulate Matter)のうち、粒径が2.5µm以下のものを指します。スギやヒノキ花粉は直径30~40µm、黄砂は約4µmである中、PM2.5は2.5µm以下ということで非常に小さい粒子です。
ただし、全ての粒子が球形をしているわけではないため、直径2.5µmの球形粒子と同じ動きをする粒子(空気動力学粒径といいます)の50%が通り抜ける装置を通過して、専用のろ紙上に集められたものをPM2.5と呼びます。
PM2.5の成分としては、炭素成分・硫酸塩・ケイ素・ナトリウム・アルミニウムなどの無機元素が含まれており、PM2.5自体は特定の物質を指しているわけではありません。
PM2.5そのものは肉眼では見ることのできない非常に小さな粒子であり、呼吸とともに肺の深部に到達して健康に悪影響を及ぼすことが指摘されています。
PM2.5は主に中国で発生すると言われていますが、なぜ日本で問題視されているのかというと、西から吹く偏西風に乗って大量のPM2.5が日本に飛来してきているからです。
偏西風は春や秋に強くなる傾向があるため、日本では春や秋にPM2.5の濃度が高くなります。
また、中国で発生しているイメージが強いPM2.5ですが、実は特定の国だけで発生しているわけではなく、日本国内でも発生しています。
PM2.5の発生源としては、工場から出る煤煙や自動車の排出ガスなど、物の燃焼によって発生する人為的な発生源と、土壌・火山・黄砂など自然由来の発生源に大別されます。
人為的な発生源については、ガソリン車・ストーブの燃焼・火力発電所や工場から排出される硫黄酸化物・窒素酸化物と、溶剤や塗料から発生する揮発性有機化合物が大気中で化学反応を起こすことによって発生するなど、さまざまです。
近年では工場・事業者への排出ガス規制などの取り組みによって、日本国内での排出量は減少していますが、アジア諸国などにおける都市の発展に伴う排出ガス量の増加により、日本のPM2.5濃度が増加しているとも言われています。
PM2.5がお肌に及ぼす影響
PM2.5などの大気汚染の外部刺激は、肌内部に活性酸素(フリーラジカル)が発生しやすい状況を作り出します。
活性酸素は本来、その高い酸化力で体内に入り込んだウイルスや細菌類を撃退したり、酵素の働きを促進したりして体を守る働きをしています。
しかし、活性酸素が過剰に生成されると、細胞を傷害し、がん・心血管疾患・生活習慣病などさまざまな疾患をもたらす要因となってしまいます。
そのため、体内には活性酸素を分解する酵素があり、さらには活性酸素の傷害から生体を防御する抗酸化作用というシステムが備わっています。酵素により活性酸素の発生を抑え、抗酸化作用により酸化で生じたダメージの修復・再生を促す働きを有しています。
しかし、何らかの原因で抗酸化作用以上に活性酸素が過剰に産生されたり、年齢により酵素が減少してしまうと、活性酸素が抗酸化作用を上回る状態になってしまいます。
この状態を「酸化ストレス」と呼び、お肌にも影響を及ぼします。
酸化ストレスによってお肌の機能が正常に働かなくなり、老化や、シミ・シワ・たるみ・くすみ・お肌のバリア機能及び保湿機能の低下・肌荒れ・乾燥等のさまざまな肌トラブルを引き起こします。
対策方法
PM2.5による肌トラブルから逃れるための対策をご紹介します。
PM2.5をお肌に付着させない
PM2.5からお肌を守るためには、まず「お肌に付着させない」「活性酸素を作らせない」ということが最も重要です。
また、お肌を守る効果があるアンチポリューションコスメを活用することもおすすめです。
アンチポリューションコスメはお肌の上に保護膜を作り、PM2.5や黄砂など空気中の微粒子からお肌を保護し、付着を防いでくれます。
スプレーするだけで、有害物質(花粉・PM2.5・ウイルス・ハウスダスト)を寄せつけないプロテクトスプレーもおすすめです。
PM2.5をすぐに洗い流す
帰宅後はすぐに入浴する、クレンジングや洗顔をするなどして、お肌に付着した大気汚染物質を素早く洗い流すことが大切です。
洗顔をするときは、洗顔料をよく泡立てて、お肌を傷つけないよう泡で顔を包むようにして優しく洗いましょう。タオルドライの時も、清潔なタオルをそっとあてるようにし、お肌に負荷をかけないように注意しましょう。
洗顔や入浴後は時間を空けず、すぐに保湿することが重要です。
PM2.5に負けないお肌を作る
質の良い睡眠をとって抗酸化作用を高めることによってPM2.5に負けないお肌を作ることが可能になります。
覚醒と睡眠を切り替えて自然な睡眠を誘う作用があり、睡眠ホルモンとも呼ばれている「メラトニン」というホルモンがあります。
メラトニンには強い抗酸化作用があり、その効果は抗酸化ビタミンとされるビタミンCやビタミンEを上回るとも言われています。
メラトニンの分泌を促すために、朝起きたら日光を浴びて体内時計をリセットし、寝る前には強い光を避け、質の良い睡眠を確保しましょう。
さらに、食事やサプリメントで抗酸化作用がある栄養素を摂取することを意識してください。ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノール・ミネラル類・カロテンなどが効果的です。
質の良い睡眠と抗酸化作用を意識した食事を摂るようにしましょう。
日常生活でのPM2.5対策
PM2.5からお肌を守るためには、日常生活でもさまざまな対策を講じることが重要です。以下のような工夫をすることで、PM2.5の影響を最小限に抑えることができます。
外出時の注意
PM2.5の濃度が高い日には、できるだけ外出を控えることが望ましいです。特に風が強い日や、天気予報で「PM2.5の飛散が多い」と報じられている日は注意が必要です。
外出が避けられない場合は、マスクを着用し、お肌の露出を少なくするために
・長袖の服を着る
・帽子やサングラスを着用する
などの対策を行いましょう。
室内環境の整備
外出時だけでなく、室内でもPM2.5が入り込まないようにすることが大切です。
窓を開ける際はPM2.5の濃度が低い時間帯を選び、空気清浄機を使用して室内の空気をきれいに保ちましょう。
また、室内にPM2.5が入り込むのを防ぐために、窓やドアの隙間をしっかりと閉めることも効果的です。
スキンケアの見直し
PM2.5がお肌に与える影響を最小限に抑えるためには、スキンケアの見直しも重要です。クレンジングや洗顔を念入りに行い、お肌のバリア機能を高める保湿を徹底しましょう。
また、抗酸化作用のあるスキンケア製品を取り入れることで、お肌の酸化ストレスを軽減することができます。
日々のスキンケアを見直し、PM2.5に負けないお肌を作りましょう。
生活習慣の改善
PM2.5の影響を受けにくい健康なお肌を保つためには、生活習慣の改善が欠かせません。
・規則正しい生活を心がける
・十分な睡眠をとる
・バランスの取れた食事を摂る
ことが大切です。
また、ストレスを溜めないように心掛けることも、お肌の健康を保つために重要です。
適度な運動やリラックスする時間を持つことで、ストレスを解消し、心身の健康を維持しましょう。
PM2.5に対応した製品の利用
近年、PM2.5対策に特化した製品も多く登場しています。
PM2.5に対応したマスク・空気清浄機・スキンケア製品などを活用することで、日常生活でのPM2.5対策がより効果的になります。
これらの製品を適切に活用し、PM2.5からお肌を守りましょう。
まとめ
PM2.5は健康に悪影響を与えるだけでなく、お肌にもさまざまなトラブルを引き起こします。
しかし、適切な対策を講じることで、PM2.5の影響を最小限に抑えることが可能です。
・お肌に付着させない工夫
・付着した場合の迅速な対応
・生活習慣の改善
・抗酸化作用を高めるスキンケア
など、日常生活でできることを取り入れ、PM2.5に負けない健康なお肌を維持しましょう。
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