わたしたちのお肌には、バリア機能が備わっています。バリア機能により外部刺激や異物の侵入を防ぎ、お肌を守っています。
しかし、何らかの原因でバリア機能が低下してしまうと、お肌の乾燥を感じたり様々な肌トラブルにつながってしまいます。美肌を目指すにはバリア機能を正常で健康な状態に保つことが重要になってくるのです。
そこで今回は、美肌のために「大切なバリア機能」についてお伝えいたします。
目次
バリア機能とは

お肌のバリア機能とは、お肌を様々な外部刺激から守っている機能です。お肌の健康にはバリア機能が正常に働いていることが大切になります。バリア機能が正常に働くには、お肌が潤いで満たされている状態であることが必要となります。
バリア機能の仕組みと低下してしまうとどうなるか説明します。
バリア機能の仕組み
皮膚は大きく分けて、外側から表皮・真皮・皮下組織で構成されています。
表皮はさらに4層に分かれており、もっとも外側が「角質層」です。この角質層がバリア機能を担っている層になります。角質層は、角質細胞と細胞の間を埋めている細胞間脂質から成り立っています。
角質細胞はアミノ酸・塩類などの天然保湿因子で満たされ、細胞間脂質はコレステロールやセラミドなどで満たされています。角質細胞の天然保湿因子が水分を保持することによって弾力性のある健康な角質層が形成されます。
また、細胞間脂質には、水分の蒸発を防ぐと共に細菌などの異物の侵入を防ぐ役割があります。細胞間脂質の主成分であるセラミドは、保水力が高く、お肌の潤いを保つのに役立ちます。
角質層の表面は汗と皮脂からなる皮脂膜が覆っています。皮脂膜は乾燥・摩擦・皮膚の常在菌と呼ばれる細菌などの外的刺激からお肌を保護してくれていると同時に、角層の水分蒸発を防ぐフタ的な役割も担っています。
この角質層の皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質により、紫外線・アレルギー物質・ウイルスなどの外的刺激からお肌を守ったり、体内の水分が蒸発してしまうのを防いでいるのが「バリア機能」です。
バリア機能は私たちの皮膚の健康を守るための大切な働きです。角質層の皮脂膜・天然保湿因子・細胞間脂質の三つがバランスよく整っていることがお肌が潤っている状態で、バリア機能がきちんと働いている状態です。
バリア機能が低下によって起こるトラブル
バリア機能を正常に保つためにはお肌が潤っている状態が必要ですが、何らかの原因で潤いを保つ物質が減ってしまうと、角質層にすきまができます。
すきまができてしまうと刺激が入り込みやすく、さらに水分が蒸発しやすい状態になります。これがバリア機能の低下になります。バリア機能の低下は、お肌の水分を保つ力が弱くなり、水分が蒸発して乾燥肌・敏感肌になります。
さらにウイルスやアレルギーなどの外部刺激も侵入しやすくなり、シミ・くすみが目立つようになったり、たるみ・シワ・ほうれい線が出てきたり、様々な肌トラブルに繋がってしまいます。
バリア機能低下の原因

お肌にとって大切なバリア機能ですが、そのバリア機能の低下につながる原因は主に次の通りです。
生活習慣の乱れ
健康的なお肌は潤いが保たれていてバリア機能が正常に動いていますが、生活習慣の乱れはバリア機能低下につながります。
生活習慣の乱れの中でも1番の原因は「睡眠不足」です。
睡眠中に成長ホルモンが分泌されターンオーバーが促されますが、角質層の細胞間脂質であるセラミドはこのターンオーバーにて生成されます。十分な睡眠をとることで、潤いを守る物質であるセラミドを生成しているのです。
ところが、睡眠不足になると、成長ホルモンが分泌されなくなり、ターンオーバーが乱れます。ターンオーバーが乱れるとターンオーバーにて生成されるはずのセラミドが生成されずに、セラミドの減少を招きます。
セラミドが減少すると、お肌の保水力が弱まり、お肌の潤いを保てずにバリア機能低下につながってしまいます。つまり、睡眠不足はバリア機能低下の原因となります。
また、栄養バランスのよい食事は、細胞に必要な栄養素を取り入れることができます。ところが、栄養バランスが偏っている食生活を摂っているとお肌に必要な栄養も摂取できずに保湿成分が作り出せないばかりか、脂質の摂りすぎなどにつながり、過剰な皮脂分泌の原因になります。
保湿成分が足りなくなったり皮脂の過剰分泌は、お肌の水分と油分のアンバランスを引き起こし、バリア機能低下に繋がることになります。
間違ったスキンケア
お肌のためを思って行うスキンケアも、やり方を間違えるとお肌を傷つけてしまい、バリア機能低下につながってしまいます。
必要以上の洗顔を行ってしまうと必要な皮脂まで除去してしまったり、クレンジングや洗顔時にお肌をこする・熱いお湯で洗う・洗顔の後時間が経ってから化粧水をつけるなどといった誤ったスキンケアは、お肌に負担をかけることになり、バリア機能低下になってしまいます。
紫外線の影響
太陽光に含まれる紫外線は、水分を奪うだけでなくお肌の奥まで浸透して皮膚の若い細胞を傷つけます。
傷ついた細胞があると、細胞の並びが不均一になり、お肌がゴワゴワしてキメが整わなくなってしまいます。バリア機能を担っている角質層の細胞も不均一になって外部刺激を受けやすくなってしまい、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。
加齢
年齢とともに水分・セラミドなどの細胞間脂質・天然保湿因子は減る傾向にあります。
全身に占める水分の割合も、もともと60〜65%であったのが、高齢になってくると50〜55%へと減少するようになり、お肌の内部の水分量も減ってきます。
これらが減少するということはお肌の潤いを保つのが難しくなり、バリア機能は低下しやすくなります。
バリア機能を高めるための3つの対策

お肌のバリア機能は、外部の刺激や乾燥からお肌を守る大切な役割を果たします。
しかし、生活習慣や環境の影響でこの機能が低下すると、肌荒れ・乾燥・敏感肌の原因になることも。バリア機能を高めるために3つの対策を意識しましょう。
対策① 正しいスキンケア
毎日行っているスキンケアを見直して正しいスキンケアを心がけましょう。
まず、洗いすぎの洗顔には気を付けましょう。洗いすぎてしまうとお肌に必要な皮脂まで落としてしまい、潤いを保つことができなくなり、バリア機能低下につながってしまいます。
皮脂を落としすぎたことでお肌が乾燥すると、乾燥を補おうとして今度は皮脂が過剰分泌されて、ベタつき・毛穴の開き・ニキビなどの皮脂トラブルを起こしてしまうこともあります。美肌に皮脂は大切ですが、少なすぎず多すぎず、皮脂バランスがとても大切になるのです。
そこで正しい洗顔が重要となってきます。汚れや余分な皮脂は落としながら、必要なものを残すことが正しい洗顔になります。正しい洗顔とは「優しく丁寧な洗顔」です。
1.きれいな手で洗顔料を十分に泡立てる(泡立てが苦手な方は、泡立てネットを使う)
2.泡を包み込む感じでマッサージするように「気持ちいい」くらいのやさしい圧で洗う
3.30~36度くらいのぬるま湯で1分間ほど丁寧にすすぐ
4.清潔なタオルで押さえるように水分をふき取る
また、十分な保湿を意識しましょう。保湿は皮膚の水分補充や蒸発防止を目的とし、お肌の湿度を一定に保つことです。洗顔後のお肌は、一時的にバリア機能が低下してしまうことから、できるだけ早く保湿ケアを行うことが大切です。
ケアアイテムも
・自分のお肌に合っているか
・きちんとうるおいを与えてくれるか
・赤みが出たり刺激を与えたりというマイナス面はないか
などを見極めて選びましょう。毎日丁寧なケアを持続させることが、お肌の潤い力を上げることになり、それがバリア機能を高めることにつながります。
対策② 生活習慣を整える
お肌の潤い成分であるセラミドの生成はターンオーバーにより生成されますが、このターンオーバーを整えるためにも質の良い睡眠が大切です。
・心地いい寝具や睡眠環境を整えリラックスして入眠する
・寝る直前の運動や食事は避ける
・安眠効果の高い飲み物を飲む
・寝る前は部屋の電気を落として人工的な光を避ける
ことが質の良い睡眠につながります。
また、栄養が偏ることもターンオーバーが乱れてしまいます。ターンオーバーの周期を整えやすい食材をメニューに取り入れると、粘膜や皮膚を健康に保つことができ、美しいお肌を作るのに良い効果を得られます。
積極的に摂りたい栄養素は、タンパク質・ビタミンB群・ビタミンE・カリウム・カルシウムになります。基本的な栄養バランスはもちろんのこと、ターンオーバーを整えることに効果のある栄養素を積極的に取り入れ、ターンオーバーを整えましょう。
こうした意識的な行いがバリア機能を高めることにつながります。
対策③ 紫外線対策
紫外線は天候や季節に関係なく一年中降り注いでいます。目に見えないダメージをお肌に与えてしまうので、夏だけではなく一年中、紫外線対策を行いましょう。
・紫外線防止効果のあるメイクアイテムを使う
・日傘や帽子を使う
・UVカットサングラス使う(目からも紫外線は吸収してしまいます)
ことをおすすめします。
まとめ
お肌のバリア機能を高めるためには、お肌の潤いを保つことが大切です。毎日のスキンケアや生活習慣を見直してみたり、紫外線対策を徹底して、お肌の潤いを保ちバリア機能を高めていきましょう。
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