お仕事・家事・育児・介護など、忙しい生活を送っている方も多いと思いますが、ゆっくりとする時間や睡眠時間は取れていますか?
十分な睡眠時間が取れていなかったり、不規則な生活を送っていると、お肌の調子が崩れるだけでなく、お肌の老化も進んでしまいます。
なかなか睡眠時間が取れない方や、寝ても疲労が残っている方は、一度立ち止まってご自身の生活を見直してみましょう。
生活を整えることは、「体内時計」を整えることです。体内時計を整えると、美肌に近づくことができます。
そこで今回は「体内時計と美肌の関係」についてお伝えします。
目次
体内時計とは?わたしたちのリズムをつかさどる仕組み

人間のからだは体温・血圧・免疫機能・ホルモン分泌・消化吸収・代謝など、さまざまな生体反応がリズムを持って動いています。
一番イメージしやすいのが、睡眠と覚醒でしょう。太陽が昇るタイミングに合わせて目が覚め、夜暗くなるとともにからだが眠りの準備を始めます。
健康的な生活を送っていれば、このような自然のリズムで睡眠と覚醒を繰り返します。これが体内時計です。
ここでは、体内時計の基本的な仕組みと、それが私たちの生活や美容にどのように関わっているのかをご紹介します。
毎日リセットしよう!からだの2つの“時計”の役割とは
実は、体内時計の周期は個人差があるものの、だいたい24時間から25時間であると言われています。地球の一日の周期は24時間であるため、日々の生活と体内時計には少しずつズレが生じてしまい、体内時計は毎日リセットする必要があります。
体内時計には、大きく分けて「中枢時計(ちゅうすうどけい)」と「末梢時計(まっしょうどけい)」の2種類が存在するといわれています。
・中枢時計
脳の中心部にある視床下部に存在し、全身をコントロールしています。脳と末梢時計の時刻を合わせる働きがあり、目から入る光によりリセットされます。
・末梢時計
脳・心臓・胃・腸・皮膚・血液、筋肉などの末梢組織に存在します。ホルモン分泌のリズムなどを制御する働きがあり、朝食や運動によりリセットされます。
太陽、またはそれに匹敵する強い光を浴びると、その情報が中枢時計に伝わり、光を浴びた時刻によって中枢時計のリズムが調整されます。
また、朝食をとると消化酵素やホルモンが分泌され、腸の蠕動(ぜんどう)運動が始まるなど、末梢時計をリセットするきっかけになります。
体内時計が乱れるとどうなる?
体内時計のリセットができず、体内時計の周期と地球の24時間の周期とのズレを修正できない状態が続くと、スムーズに入眠できなくなり、覚醒も困難になります。これは「睡眠障害」の状態です。
また、体内時計は1日の活動に合わせて体温・血圧・ホルモン分泌などのリズムをつくっています。そのため、無理に地球の時刻に合わせて覚醒しても、眠気・頭痛・倦怠感・食欲不振など、からだのさまざまな不調が現れます。
具体的には、仕事の能率低下・成績の悪化・運動パフォーマンスの低下といった影響も出てきます。
本来、私たちのからだは昼間に効率よくエネルギーを生み出し、身体能力を最大限に発揮し、夜間には余分なエネルギーを貯蔵して休む機能が備わっています。
しかし、これは体内時計が正常に動いていることが前提です。体内時計が乱れると、いわゆる時差ボケのような状態となり、それぞれの臓器や組織の適切なリズムを狂わせ、働きを阻害するため体調不良が起こります。
さらに、生活習慣病・肥満・がん・うつ病のリスクが高まり、老化現象が加速するといった報告も多数あります。
体内時計が乱れる原因
体内時計リセットの最も影響力の大きな原因は光です。朝遅い時間まで寝て太陽の光を浴びる時間が遅れてしまったりすると時刻合わせが出来ずに体内リズムは乱れてしまうのです。
また、深夜を明るい環境で過ごすことや、不規則な生活は体内時計の乱れの原因になります。
スマホやパソコンなどから発せられるブルーライトは太陽の光に近い紫外線のような光です。このような光のブルーライトを夜に浴びるとからだは昼と判断し、睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されて眠れなくなると考えられています。
寝る前のスマホやパソコンが体内時計が乱れる原因ともなっているのです。
光の他にも朝食を摂らないことが末梢時計に影響を与え、体内時計が乱れる原因にもなります。
美肌を守る鍵は“肌リズム”体内時計がもたらすお肌への作用

体内時計がからだのリズムに与える影響は、お肌も例外ではありません。皮脂の水分量や皮脂分泌も、一定のリズムを刻んでいることがわかっています。
これを「肌リズム」と呼びます。肌リズムによって、昼に「保湿遺伝子」夜に「バリア遺伝子」がサイクルしています。
昼の活動期には、外部要因による肌トラブルを防ぐため保湿機能が高まります。そして、夜の休息期には、ダメージを受けてしまった部分を修復するためバリア機能が高まる、といったリズムがあります。
肌リズムが崩れてしまうと、お肌のバリア機能が低下してしまい、やがて乾燥や肌トラブルに繋がってしまいます。
肌リズムと体内時計は密接に関係しており、体内時計が乱れると肌リズムも乱れてしまい肌トラブルに繋がってしまうと言われています。また、体内時計の乱れは肌リズムを乱すだけでなく、睡眠ホルモン(メラトニン)へも悪影響を与えます。
メラトニンは睡眠を促すホルモンですが、他にも抗酸化作用や抗炎症作用もあります。夜間にメラトニンの分泌が増加することで、日中受けたお肌のダメージの修復にも役立っているのです。
体内時計が乱れるとメラトニンが十分に分泌されなくなり、お肌のダメージが蓄積し、様々な肌トラブルに繋がってしまうでしょう。
今日からできる!体内時計を整える4つの生活習慣

体内時計を整えることは、健康的な生活や美肌づくりの基本です。しかし、「何をすればいいの?」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか?
実は、特別なことをしなくても、朝の過ごし方や食事のタイミング、ちょっとした習慣を見直すだけで、体内時計は整っていきます。
ここでは、忙しい毎日でもすぐに取り入れられる、体内時計をリセットするための生活習慣をご紹介します。
朝日を浴びる
朝起きたらまず朝日を浴びて、光を取り入れましょう。光を浴びることで体内時計がリセットされます。さらにメラトニンは、光を浴びてから約14〜15時間後に分泌が増加すると言われています。
つまり、朝起きて日光を浴びると夜にはメラトニンの分泌が増え、自然と眠くなってくることになります。また、メラトニンの分泌にはセロトニンというホルモンが原材料となっています。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれており、幸福感が増したりストレスを感じにくくしたり、精神状態を安定させる働きがあります。
セロトニンは朝日を浴びることで分泌され、セロトニンを増やすことがメラトニンを増やすことにもつながるのです。メラトニンは睡眠には欠かせないホルモンであり、しっかりと増やしたいホルモンです。
メラトニンとセロトニンの分泌には朝日が大きく関係しています。朝起きたら朝日を浴びる習慣を身につけましょう。
食事時間を整える
食事を摂ることで、消化酵素やホルモンが分泌され、腸の蠕動(ぜんどう)運動が始まるなど、末梢時計をリセットするきっかけになります。
朝起きて太陽光を見た後に朝食を食べることで、中枢時計と末梢時計がリセットされますが、リセット効果を最大限引き出すためには、十分な「絶食時間」も必要です。
絶食時間とは、前日最後の食事(夕食)から翌日最初の食事(朝食)までの時間です。夕食〜翌日の朝食までは10時間以上空けることが望ましいと言われています。
起床から1時間以内に朝食を摂るようにし、寝る前の食事は就寝時間の2〜3時間ぐらい前には済ませておきましょう。
適度な運動をする
適度に運動をすることで寝つきが良くなり体内時計に効果的です。ウォーキングなどの運動もおすすめですが、もっと簡単に普段の生活に取り入れられるものもあります。
・湯船の中での手足などのセルフマッサージ
・入浴後の軽いストレッチ
・歯磨きをしながらの3分間スクワット
などです。簡単にできることから取り入れてみましょう。
寝る前の習慣を見直す
パソコン・スマホ・テレビなどの画面から発せられるブルーライトはメラトニンの分泌を低下させます。メラトニンが不足すると、眠れなくなったり、浅い眠りになったりと睡眠の質が落ちて体内時計が乱れる原因ともなります。
寝る前は部屋の電気を落とし、人工的な光を避けることが質の良い睡眠につながり体内時計を整えることにつながります。
まとめ
忙しい毎日の中で、ゆっくり休む時間や十分な睡眠を取ることは難しいかもしれません。しかし、体内時計を整えることは、健康だけでなく美肌を保つためにもとても重要です。
体内時計は、私たちのからだの様々なリズムをコントロールしており、睡眠や覚醒だけでなく、ホルモン分泌や代謝、そしてお肌の状態にも深く関わっています。体内時計が乱れると、睡眠障害やからだの不調だけでなく、肌トラブルや老化の進行にもつながることがわかっています。
幸いにも、体内時計は日々の生活習慣の中でリセットし、整えることができます。
・朝日を浴びる
・朝食のタイミング
・適度な運動
・寝る前のブルーライトを避ける習慣
は、誰でも今日から簡単に取り入れられます。
これらの習慣を意識して、体内時計を整え、内側から輝く美肌を目指しましょう。自分の生活リズムを見直し、心と体のバランスを整えることが、美肌への第一歩です。
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