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肌の乾燥の原因を知るメリットとは!?

【乾燥の原因】

お肌がカサカサしてかゆみがある・・・白い粉がふいてしまっている・・・等、お肌の乾燥の悩みを抱えている方も多いでしょう。そんな悩みを改善すべく、今一度乾燥肌とはどのような症状があらわれ、またその原因は何かを知り、乾燥肌に対する正しい知識とスキンケアを知りましょう。肌が乾燥する主な原因と、乾燥肌に対しても注意してほしいポイント・対策について説明します。

肌が乾燥するとどうなるのか

乾燥肌とは、肌の水分・皮脂が不足して潤いがなくなっている状態のことをいいます。肌の水分・皮脂が不足しているため肌ツヤが失われたり、化粧のノリが悪くなったり、入浴後や洗顔後に肌がつっぱった感じがします。肌の乾燥が進むと、粉ふきや赤み、かゆみなどの症状が起こります。さらに悪化すると湿疹にもつながります。

皮膚は大きく分けて、外側から表皮、真皮、皮下組織で構成されています。表皮はさらに4層に分かれており、もっとも外側が「角質層」です。乾燥と密接な関係にあるのが、表皮の一番外側にあるこの角質層です。角質層は、角質細胞と細胞の間を埋めている細胞間脂質から成り立っています。角質細胞はアミノ酸・塩類などの天然保湿因子で満たされ、細胞間脂質はコレステロールやセラミドなどで満たされています。その角質層には「バリア機能」という役目があります。角質細胞が重なっていて、外部刺激や異物(アレルギーの原因物質や細菌・ウイルス)の侵入を防ぎ肌を守っています。私たちの体は、この角質層のバリア機能によって、アレルギーの原因物質や細菌・ウイルスなどの体内への侵入を防いだり、体内の水分が皮膚から失われるのを防いだりしています。バリア機能は私たちの皮膚の健康を守るための大切な働きです。

しかし、何らかの理由で潤いを保つ物質が減ってしまうと、水分が蒸発し皮膚が乾燥した状態になります。乾燥した状態になってしまうと、角質層がはがれてすき間ができ、バリア機能が低下して、外からの刺激を受けやすくなります。バリア機能により皮膚に入ってこないはずのアレルギーの原因物質や細菌・ウイルスがバリア機能が低下することで侵入しやすくなり、湿疹やアトピー性皮膚炎が発症・悪化しやすく、また、とびひや水いぼなどの皮膚の病気も起こりやすくなっていまいます。さらに、かゆみの知覚神経が皮膚の浅い所の表皮内まで伸びてきて、普段よりかゆみを感じやすくなります。外からの刺激に敏感になることで衣服がこすれるだけでもかゆみを感じるようになります。このかゆみで皮膚をかくと、物理的刺激でさらに皮膚バリア機能が低下してしまいます。悪循環となってしまうのです。

乾燥する原因とは

私たちの皮膚のバリア機能が低下してしまったときに乾燥が起きます。その肌のバリア機能の低下には、さまざまな原因が関わっています。また、同時に複数の原因が重なって、肌のバリア機能が低下することもあります。原因とは何なのか?肌のバリア機能の低下の原因について説明します。

・生活習慣の乱れ

健康な肌は水分と皮脂のバランスが良いためバリア機能を維持できて、肌を潤わせています。偏った食事や睡眠不足などによって生活習慣が乱れると、皮脂の分泌がアンバランスになって肌トラブルが起きたり、肌の回復能力が落ちることでバリア機能が低下したりする原因になります。偏った食事により肌のバリア機能を保つのに必要な栄養であるたんぱく質やミネラルなどの栄養が偏ると、肌のバリア機能が低下してしまいます。バリア機能低下に加えてさらに肌内部の水分を維持するのも難しくなり乾燥肌につながりやすくなってしまいます。また、睡眠不足も肌のバリア機能低下に深く関係しています。特に、慢性的な睡眠不足は、ターンオーバーによる細胞の修復を妨げ、肌のバリア機能に深刻なダメージを与えてしまいます。それだけではありません。睡眠時に出る成長ホルモンには、皮膚のターンオーバーの促進だけでなく、皮膚の水分を保つ働きや皮膚の細胞分裂や再生を促進する働きがあります。十分な睡眠をとらないと成長ホルモンが分泌されず、皮膚の働きを阻害してしまうのです。したがって、睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が低下し、ターンオーバーが滞ることで肌の修復が間に合わなくなり、バリア機能が低下してしまいます。

・紫外線によるダメージ

太陽光に含まれる紫外線は、肌から水分を奪うだけでなく肌の奥まで浸透して皮膚の若い細胞を傷つけます。傷ついた細胞があると、細胞の並びが不均一になり肌がゴワゴワして、肌のキメが整わなくなってしまいます。バリア機能を担っている角質層の細胞も不均一になって、皮膚のバリア機能が低下してしまいます。

・誤ったスキンケア

肌のためを思って行うスキンケアも、やり方を間違えると肌を傷つけてしまいバリア機能低下につながってしまいます。必要以上に洗顔を行ってしまうと必要な皮脂まで除去してしまったり、クレンジングや洗顔時に肌をこする・熱いお湯で洗う・洗顔の後時間が経ってから化粧水をつけるなどといった誤ったスキンケアは、肌に負担をかけ、バリア機能低下になり最後には乾燥を引き起こしてしまいます。

・空気の乾燥・エアコンの多用

気温が低下し空気が乾燥する秋から冬にかけては、汗や皮脂の量が減るため皮膚が乾燥します。季節を問わずエアコンなどによる過度な冷暖房によっても、空気が乾燥します。また、私たちの肌は、皮脂や汗を分泌して乾燥から肌を守ろうとする力を持っています。エアコンにより快適な温度の中で過ごしていると汗をかくこともなく、肌本来の防御機能が働かなくなってしまいます。汗や皮脂分泌の働きが低下すると、バリア機能が低下する原因になります。

・加齢による皮脂分泌量の減少

年齢とともに水分、セラミドなどの細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)は減る傾向にあります。全身に占める水分の割合も、もともと60~65%であったのが、高齢になってくると50~55%へと減少するようになり、肌の内部の水分量も減ってきます。これらが減少すると、バリア機能は低下しやすくなります。

乾燥への対策はあるのか?

乾燥肌にならないようにしていくためには、肌のバリア機能を生かし正常な状態に保つことが大切になります。日々の生活のなかで、注意してほしいポイントを紹介します。

・紫外線対策をする。

紫外線は常に地上に降り注ぎ、外出するときは必ず日焼け止めを塗り、紫外線によるダメージから肌を守りましょう。室内にいてもガラス越しに日焼けすることもあるので油断は禁物です。乾燥が気になる方は保湿成分が配合されている日焼け止めを選びましょう。特に乳液またはクリームタイプがおすすめです。日焼け止めを塗る前にはしっかりと保湿剤を塗って肌を保護しましょう。また、日焼け止めだけでなく、帽子・日傘・長袖長ズボンなどを身につけ、直射日光をできるだけ浴びないようにしましょう。

・生活習慣を正しましょう。

栄養バランスの良い食事を心がけましょう。肌を構成するために必要なたんぱく質やミネラル、ビタミンなどを満遍なく摂取できるよう、栄養バランスに気を配った食事を摂りましょう。睡眠も非常に大事です。十分な睡眠をとって、肌のターンオーバーを促しましょう。特に、成長ホルモンの分泌が増える夜22時~深夜2時までの間は、ターンオーバーがもっとも盛んになるゴールデンタイムです。このタイミングを意識しながら、就寝しましょう。

・正しいスキンケアをしましょう。

まず、肌のこすりすぎはNGです。肌をこすってしまうと、角層が剥がれ落ち、バリア機能が低下する原因になります。洗顔をするときは、洗顔料をよく泡立てて肌を傷つけないように泡で顔を包むようにやさしく洗いましょう。タオルドライの時も、清潔なタオルをそっとあてましょう。拭くというイメージより余分な水分を吸い取るようにし、肌に負荷をかけないように気をつけましょう。また、洗顔や入浴の後は、角質層がふやけた状態になっており、肌のバリア機能が正常に働かなくなっています。角質層にも隙間ができてしまっているので、時間の経過とともにどんどん水分が抜け出して、つっぱった感じやヒリヒリ感などの違和感が出てきます。洗顔後・入浴後は時間を空けず、すぐに保湿しましょう

・部屋を加湿しましょう。

部屋の中は、エアコンの使用などによって意外にも乾燥しています。普段からきちんと湿度コントロールをすることが大切です。温湿度計を置いて、湿度を管理しましょう。

まとめ

乾燥肌になると、肌がカサカサして化粧のノリが悪いと感じたり、かゆみや赤みなどの症状が出たり、バリア機能の低下によってさまざまな肌トラブルが起きやすくなります。肌を良い状態に保つためには、食事・睡眠などの生活習慣を整え、正しいスキンケアを行うことが非常に大切になってきます。紹介した対策を参考にして、潤いのある健やかな肌を目指しましょう。