睡眠とお肌の関係
私たちが生きていくうえで、睡眠はなくてはならないものです。睡眠不足は健康に害を及ぼすことは誰しも知っていることですが、お肌にも悪影響があるのをご存じでしょうか?「睡眠不足はお肌の大敵」という言葉もあるほど、睡眠不足はお肌に悪影響を及ぼします。美肌を目指す上で、睡眠不足はあってはならないこと、質の良い睡眠を取ることが大切になります。そこで今回は、睡眠とお肌の関係について解説します。
お肌と関係の深い成長ホルモンと睡眠ホルモン
私たちは、夜間に分泌が多くなる睡眠ホルモン(メラトニン)によって、眠気が誘われます。そして、私たちが寝ている間には、成長ホルモン・プロラクチン・副腎皮質ホルモン・甲状腺刺激ホルモンなどが分泌されます。お肌に関係あると言われているのは、この睡眠ホルモン(メラトニン)と成長ホルモンです。メラトニンと成長ホルモンの分泌には美肌へと導く効果があります。詳しく解説します。
成長ホルモン
成長ホルモンは、タンパク質の合成や糖代謝、脂質代謝などの代謝機能を促進します。小児期には背を伸ばし、成人してからは筋肉や骨、皮膚を強くしてくれます。成長を促すだけでなく、体のあらゆる細胞を再生させることで疲労回復や身体回復にも重要な働きがあります。免疫機能促進・脂肪分解作用などもあり、体にとても大切なホルモンです。
この成長ホルモンは代謝機能があり、お肌にとっても大切なホルモンです。血流と共にお肌に栄養を運び、美肌を作る上で欠かせないターンオーバーを促進します。ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚がはがれ落ちるサイクルです。このサイクルが乱れると、お肌の生まれ変わりがうまくいかなくなります。また、成長ホルモンには抗利尿作用もあり、体から水分が失われるのを防ぎ、肌ツヤを維持します。
成長ホルモンが最も分泌されるのは入眠後3時間と言われています。メラトニンによって分泌が促されるため、メラトニンの分泌量が多い夜中1~3時に深い眠りに入っていると、さらに分泌が促進されます。
睡眠ホルモン(メラトニン)
メラトニンは、覚醒と睡眠を切り替え、自然な睡眠を誘う作用があります。朝起きて光が目に入ると、睡眠時に分泌されていたメラトニンが一旦抑制され、光を見てから14~16時間後に再び分泌されます。
日中は血液中のメラトニン量が少なくなりますが、夜になると分泌が増え、自然な睡眠を促します。メラトニンには強い抗酸化作用があり、睡眠不足になるとこの抗酸化作用が弱まり、体内の細胞組織が活性酸素からのダメージを受けやすくなります。また、メラトニンは美肌に欠かせない成長ホルモンの分泌を促す作用もあります。
質の良い睡眠を取る
美肌のためにも睡眠は重要ですが、以下の方法で質の良い睡眠を促進しましょう。
朝日を浴びる
朝起きたら、朝日を浴びて体内時計をリセットしましょう。光を浴びることで、メラトニンの分泌が増加し、夜には自然と眠くなります。
適度な運動習慣
運動は寝つきを良くする効果があります。ウォーキングや軽いストレッチなど、簡単に取り入れられる運動を日常に取り入れましょう。
食事の時間
就寝時間の2~3時間前には食事を済ませ、消化を終えた状態で就寝しましょう。寝る前には、安眠効果がある白湯やカモミールティを飲むのも良いでしょう。
寝る前の習慣
寝る前はブルーライトの影響を受けないようにし、部屋の電気を落として人工的な光を避けましょう。
十分な睡眠による美肌以外のメリット
基礎代謝が上がる
十分な睡眠は、ホルモンバランスを整え、基礎代謝を上げる効果があります。
生活習慣病の抑制
睡眠不足は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めます。十分な睡眠を取ることでこれらのリスクを減らすことができます。
記憶力アップ
睡眠は、記憶を整理し、脳に定着させる働きがあります。
まとめ
睡眠が足りないと、お肌の生まれ変わりを促すターンオーバーが乱れ、肌荒れやニキビといった肌トラブルの原因となります。美肌を保つためにも、生活習慣や就寝前の行動を見直し、質の良い睡眠を取ることが重要です。睡眠は単に体を休めるだけでなく、美肌や健康維持にも欠かせない要素であり、日々の生活の中で十分な睡眠を心がけることが大切です。
生活習慣の見直しには、日中の活動だけでなく、夜の過ごし方も含まれます。睡眠の質を高めるためには、寝室の環境を整えることも重要です。適切な温度と湿度を保ち、静かで暗い環境を作ることで、より深い睡眠につながります。また、寝具選びも大切です。体をしっかりと支え、快適な睡眠を助けるマットレスや枕を選ぶことで、睡眠の質が向上します。
睡眠とお肌の関係について理解し、質の良い睡眠を取ることで、美肌を目指すだけでなく、全体的な健康状態の向上にもつながります。日々の生活の中で睡眠の質を意識し、健やかなお肌と体を手に入れましょう。