スキンケアを頑張っているのに肌荒れが治らないときは、もしかしたら自律神経が乱れているのかもしれません。自律神経の乱れからくる肌トラブルは外側からのケアだけでなく、内側からも改善していくことが大切です。
そこで今回は「お肌と自律神経の関係」についてお伝えいたします。
目次
自律神経とは
自律神経には2つの種類があり、主に日中、活動的に動いている時に働く「交感神経」と、夜眠る前などリラックスしている時に働く「副交感神経」があります。交感神経と副交感神経の働きは1日の中でリズムがあり、時間帯によって変化しています。
昼間はしっかりと動いて、夜になると自然と眠くなり、そして翌朝はまた活動に向けて体が動き出すというような健康的な毎日を支えているのが、自律神経の交感神経と副交感神経です。この２つが規則正しくバランスよく働いていることで、健康的な身体を保てているのです。
情報伝達を行う末梢神経とは？
神経は中枢神経と末梢神経に分かれ、中枢神経は全身にある末梢神経から伝達された情報をまとめて判断・指令を出す神経です。対し末梢神経は中枢神経と体をつないで、情報の伝達を行う神経です。
末梢神経の中には、体性神経と自律神経の2種類に分類され、さらに体性神経には感覚神経と運動神経の2種類があります。
感覚神経・・・痛い・熱いなどの感覚を司る神経で、脳などの中枢神経に向かって情報を伝える神経。
運動神経・・・話したいと思ったら口を動かす神経が動き、歩きたいと思ったら足を動かす神経が動く、というように自分が意識することによって必要な時に動く神経。
感覚神経から情報を得た脳が運動神経に命令を出し、骨格筋をはたらかせて動かしているのです。外部からの刺激を脳に伝えたり、自分の意識によって脳から発信されたものが筋肉として動くのが感覚神経や運動神経です。
これらと対比して、中枢神経から指令を受けるのではなくて自律して動く神経のことを「自律神経」と言います。
内臓の働きや代謝・体温の調節などの体の機能…全身の器官を意志とは関係なくコントロールしている神経のことです。厳密にいうと、中枢神経からの調整は受けるものの、基本的には自律して動いている神経です。
自律神経は呼吸・体温・血圧・心拍・消化・代謝・排尿・排便など、生きていく上で欠かせない生命活動を維持するために24時間365日休むことなく働き続けています。
自律神経が乱れるとで起こる体の不調
夜更かし・朝寝坊・食事の時間がバラバラなど生活習慣が乱れていたり、ストレスが溜まったりすると自律神経が乱れます。
自律神経が乱れてしまうと、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできなくなり、常に交感神経が優位になってしまうため緊張状態になってしまったり、リラックスすることができなくなってしまいます。
さらに酷くなると、動悸・息切れ・血圧上昇・食欲低下・便秘や下痢など、自律神経が全身に張り巡らされていますので、身体の多岐にわたり様々な不調が現れてきます。
お肌も例外ではなく影響が出てきます。交感神経が優位になると血管が収縮し、血行不良を招きやすくなり、お肌の温度低下へとつながっていきます。
その結果、お肌のバリア機能が低下しやすくなります。外部刺激などから守るバリア機能が低下してしまうと、お肌の乾燥・ニキビ・肌荒れにつながってしまいます。
自律神経の乱れは身体にとってもお肌にとっても避けたいことなのです。
自律神経の乱れによって引き起こされる肌トラブル
自律神経が乱れると肌トラブルが引き起こされますが、具体的にどのような肌トラブルが引き起こされるのかをご紹介します。
冷えからのバリア機能の低下
お肌の中の角質層は、角質細胞と細胞の間を埋めている細胞間脂質から成り立っています。角質細胞はアミノ酸・塩類などの天然保湿因子で満たされ、細胞間脂質はコレステロールやセラミドなどで満たされています。
その角質層には「バリア機能」という役目があり、外部刺激や異物（アレルギーの原因物質や細菌・ウイルス）の侵入を防ぎお肌を守っています。しかし、自律神経が乱れてしまうとこのバリア機能が低下してしまいます。
自律神経は体内の内臓機能をコントロールする役目を担っており、体温調節にも影響を及ぼしています。
この自律神経が乱れてうまく働かないと、冬はもちろん暑さを感じるような季節でも体の冷えが常態化してしまうのです。皮フ温が低下すると、バリア機能が正常に働く力が約40％も低下してしまうと言われています。
バリア機能が低下してしまうとお肌は刺激を受けやすくなり、乾燥・ニキビ・肌荒れにつながり、さまざまな肌トラブルが起こる原因になってしまいます。
アレルギーの原因物質や細菌・ウイルスなども侵入しやすくなり、湿疹・アトピー性皮膚炎の発症が悪化・とびひ・水イボなどの皮膚の病気も起こりやすくなってしまいます。
さらに、かゆみの知覚神経が皮膚の浅い所の表皮内まで伸びてきて、普段よりかゆみを感じやすくなり、外からの刺激に敏感になることで衣服がこすれるだけでもかゆみを感じる方もいます。
このかゆみで皮膚をかくと、物理的刺激でさらに皮膚バリア機能が低下する原因となり悪循環となってしまうのです。
ターンオーバーの乱れ
自律神経が乱れると血行不良を引き起こします。血行が悪くなると、身体中に酸素・栄養素が行き届かなくなります。お肌に必要な栄養や酸素が行き届かず、表皮の生まれ変わりが起こりにくくなってしまうのです。
新陳代謝である表側の生まれ変わりが起こりにくくなり、古くなった角質がいつまでもお肌に残ってしまいます。新陳代謝がうまく行われないということは、ターンオーバーが乱れてしまうということで、様々な肌トラブルにつながります。
ターンオーバーが遅くなってしまうと、シミやニキビ跡の原因となるメラニンがうまく排出されずに、古い細胞とともに蓄積されます。これが繰り返されると、やがて色素沈着が起こりシミやニキビ跡の原因になります。
また、はがれ落ちるべき皮膚が角質層に蓄積することで、皮膚が厚くなる『角質肥厚』という現象が起こります。これはお肌のごわつきやくすみの原因となり、光を反射しづらく、老けた印象に繋がっていきます。
またターンオーバーが早くなってしまうと、新しい皮膚の細胞が未成熟のまま肌表面に現れる『不全角化』が起こりやすくなります。不全角化を繰り返すと、敏感肌になってしまうだけではなく、お肌のキメがなくなってビニール肌になってしまうこともあります。
不全角化によって毛穴の目立ち、角栓が目立つようにもなり、ターンオーバーの周期が早いお肌は毛穴に皮脂が溜まりやすく、そこでアクネ菌が増殖し炎症を起こすことでニキビの原因にもなります。
ストレスはお肌の健康に大切なターンオーバーを乱してしまい、様々な肌トラブルを招いてしまうのです。
自律神経を整えるために必要なこと
自律神経が乱れると身体やお肌に様々な不調を引き起こします。まずは生活習慣を正し、自律神経を整えましょう。
生活習慣の改善
自律神経を整えるためには、まず生活習慣を改善することが大切です。第一に質の良い睡眠をとって、成長ホルモンの分泌を促しましょう。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、ターンオーバーを促してくれるので、質の良い睡眠をとることが大切になります。
また、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。タンパク質やカリウムなどお肌に必要な栄養素はたくさんありますが、特にビタミンを摂ることを意識してみてください。ビタミンは人が健やかに生きるために欠かせない栄養素ですが、ほとんどのビタミンは体内で作られません。そのため、ビタミンは食事から摂取する必要があるのです。
・質の良い睡眠
・適度な運動
・栄養バランスの良い食事
を心がけて規則正しい生活を送ることが自律神経が整い、ターンオーバーが整うことに繋がります。
ストレスに打ち勝つ
ストレスを感じることでも自律神経は乱されます。しかし、ストレス社会とよばれる現代社会において、ストレスをゼロにするのは難しいと思いますので、ストレスに打ち勝てる身体を作ったり、うまく発散する方法を見つけましょう。
まずストレスコントロールを身につけましょう。ストレスコントロールとは、自分が落ち着く行動を行うことで、意識的にストレスを軽減することです。
例えば！
・友人と食事に行く
・運動をする
・好きな本や映画に没頭する
などです。
ストレスを感じた時に、自分が心地よく没頭できるストレスコントロール法をたくさん持っておくと、ストレスとうまく付き合えるようになり、結果として肌荒れも防ぐことができます。
また、リラックスする時間を設けるようにするのも有効的です。ストレスを感じてからケアするストレスコントロールだけでなく、毎日数分でも良いのでリラックス時間を設けるようにしましょう。
ラベンダーなどの好きなアロマの香りを楽しんだり、カモミールやルイボスなどのハーブティーを飲んだり、ゆっくりお風呂に浸かるなど、ご自身の好きなことを行いリラックスする習慣をつけましょう。
リラックス時間を設けることでストレスを感じにくい身体作りに繋がりますので、上手に心身を整えましょう。
まとめ
自律神経が乱れると様々な肌トラブルにつながってしまいます。まずは、生活習慣を正したり意識的にリラックス時間を設けたりして自律神経を整えましょう。
健康的な毎日が自律神経を整えることで美肌にもつながっていきます。
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