季節によってお肌のコンディションは大きく変わります。
汗をかいたり紫外線を浴びたり肌刺激の多かった夏を経て、さらに大気も乾燥してくる秋は肌トラブルが多くなり、1年で1番お肌が老ける季節とも言われているほどです。
そこで、今回は秋にお肌が荒れる具体的な原因についてお伝えいたします。
目次
秋に肌トラブルが増える原因
原因① 大気の乾燥が始まったり季節による環境の変化
夏が終わり、秋になる10月から11月にかけては日に日に気温が下がって肌寒い日が増え、空気が乾燥してきます。気温が低下し空気が乾燥することで、汗や皮脂の量が減り、お肌の水分が不足して乾燥肌や肌トラブルにつながります。
健康な状態のお肌は、皮脂と水で作られた皮脂膜でお肌の表面を保護しています。
皮膚は大きく分けて、外側から表皮・真皮・皮下組織で構成されています。表皮はさらに4層に分かれており、もっとも外側が「角質層」で、乾燥と密接な関係にあります。
角質層は、角質細胞と細胞の間を埋めている細胞間脂質から成り立っていて、角質細胞はアミノ酸・塩類などの天然保湿因子で満たされ、細胞間脂質はコレステロールやセラミドなどで満たされています。
この角質細胞・皮脂膜・角質層のバリア機能によって、外部刺激や異物(アレルギーの原因物質・細菌・ウイルス)の侵入を防いだり、体内の水分が皮膚から失われるのを防ぎ、お肌を守っています。
バリア機能は私たちの皮膚の健康を守るための大切な働きです。バリア機能によりお肌が守られていますが、空気が乾燥するとお肌のバリア機能が低下し、水分が蒸発しやすい状態となってしまいます。
皮膚の新陳代謝であるターンオーバーに必要な水分も逃げてしまうため、肌荒れを起こしやすくなるのです。
また、空気の乾燥は大気の乾燥だけではありません。
季節を問わずエアコンなどによる過度な冷暖房によっても空気が乾燥します。エアコンにより快適な温度の中で過ごしていると汗をかくこともなく、お肌本来の防御機能が働かなくなってしまい、汗や皮脂分泌の働きが低下すると、バリア機能が低下し、肌トラブルにつながります。
原因② 夏に浴びた紫外線
紫外線量は夏が特に強く冬には弱くなりますが、この違いは太陽の高度に関係します。
真夏の頃の太陽の高度は高くなり、オゾン層などを紫外線が通過する距離が短くなるため、紫外線は強いまま地上にふりそそぎます。
逆に、真冬の頃の太陽の高度は低くなり、オゾン層を通過する距離が長くなることで紫外線が弱くなった状態になるのです。
この紫外線量もUV-AとUV-Bで異なり、夏に比べて冬は紫外線量が5分の1にまでなりますが、UV-Bは2分の1に留まります。
夏から秋になるにつれて、太陽の高度は徐々に低くなり地上に降り注ぐ紫外線量は少なくなります。しかし、夏の間に多く浴びた紫外線の影響がお肌に現れるのは秋頃です。
夏の間に浴びた強い紫外線によって肌内部に発生した過剰なメラニンは蓄積され、お肌のターンオーバーにより表面におしあげられます。
20代の健康な方であればお肌の生まれ変わりの周期は約28日と言われていますが、加齢によりその日数は伸び、30〜40代では約45日程となります。そのため、秋頃に肌ダメージが見えるようになり、秋の肌トラブルが増えると認識されるのです。
また、何らかの原因でメラニンが大量生成されるとターンオーバーでも排出しきれずに肌内部に残ってしまい、シミの原因となります。
夏に大量に浴びた強い紫外線の影響は秋頃にお肌の表面に出てきたり、大量のメラニン生成を引き起こしてシミに繋がっていきます。
メラニンとバリア機能の低下
バリア機能は私たちの皮膚の健康を守るための大切な働きをしてくれていますが、紫外線を浴びるとそのバリア機能を低下させてしまう恐れがあります。
太陽光に含まれる紫外線は、お肌から水分を奪うだけでなく、お肌の奥まで浸透して皮膚の若い細胞を傷つけます。傷ついた細胞があると、細胞の並びが不均一になりお肌がゴワゴワして、キメが整わなくなってしまいます。
次第にバリア機能を担っている角質層の細胞も不均一になって、やがて皮膚のバリア機能が低下してしまいます。
バリア機能が低下すると、お肌が乾燥してしまったり、あらゆる肌トラブルに繋がります。
夏に浴びた紫外線でバリア機能が低下してしまってトラブルを抱えているお肌が秋頃のお肌ということです。
原因 ③ 秋の花粉症
花粉症というと春のイメージが強いと思いますが、実は秋も花粉症の原因となる花粉が飛ぶ季節です。なかでも原因になりやすいのがイネ・ブタクサ・ヨモギです。
花粉症の症状といえば、くしゃみやかゆみが有名ですが、肌荒れの原因にもなります。
体が花粉を異物として認識し、花粉と反応する抗体がつくられ、アレルギー反応を起こすことで花粉を排除しようとします。その際にアレルギー症状として、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどが発生します。
さらにアレルギー症状がすすむと、お肌がかゆい・赤くなるなど、花粉による肌荒れの症状が出る場合があります。
花粉が引き起こす肌トラブルは「花粉皮膚炎」と呼ばれています。
花粉の季節になると、なんとなくメイクのノリが悪くなる、いつもの基礎化粧品がピリピリしみるという方も、花粉皮膚炎の予備軍と言えるでしょう。
秋の肌トラブルに対する対策方法
まずは、肌トラブルを起こさないように気を付けましょう。
暑さが少しずつ落ち着いてきて過ごしやすい日も増える初秋は、夏のダメージで疲れたお肌をリセットするのに最適な時期です。
本格的な乾燥対策を始める前に、お肌の状態を整えましょう。
スキンケアは保湿をしっかり行う
夏に日焼けをしてしまった方は、鎮静作用のあるアイテムや低刺激なものでお肌をしっかりケアし、また、水分補給に優れたケアアイテムでお肌の水分と油分のバランスを整えましょう。
夏にダメージを受けたお肌は見た目よりも乾燥しています。
日焼けに対する美白ケアも大事ですが、保湿ケアも忘れずに行うことが大切です。
季節が進むにつれて空気の乾燥を感じるようになったら本格的な乾燥対策を始め、いつもより保湿効果の高いスキンケアを取り入れましょう。保湿パックを取り入れるのもおすすめです。
部屋の湿度に気を付ける
お肌は湿度が40%を下回ると乾燥し始めるので、部屋の中は40〜60%の湿度を保つように努め、お肌の水分が蒸発しないようにしましょう。
しかし、部屋の湿度が高すぎると、屋外との湿度の差で余計に乾燥したり、お肌が蒸れて肌トラブルの原因になってしまうので気をつけましょう。
生活習慣を整える
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、ターンオーバーを促してくれます。成長ホルモンは質の高い睡眠を取ることでより分泌されるため、質の良い睡眠をとることが大切になります。
また、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。タンパク質やカリウムなどお肌に必要な栄養素はたくさんありますが、その中でも特にビタミンは、人が健やかに生きるために欠かせない栄養素です。
しかし、ほとんどのビタミンは体内では作られませんので、食事から積極的に摂取する必要があります。
また、秋にお肌の乾燥を感じ始めたら、それにともない体内の水分量も減少しますので、こまめに水分補給を意識し、
・質の良い睡眠
・適度な運動
・栄養バランスの良い食事
を心がけて、規則正しい生活を送り、秋の肌トラブルに備えましょう。
まとめ
秋の肌荒れについてお伝えいたしました。
秋のお肌は、夏のダメージや大気の変化により乾燥や肌荒れなどのトラブルが起きがちになります。まずは夏に受けた肌ダメージをリセットし、空気の乾燥に対して毎日のスキンケアで対策をしたり、生活習慣を整えましょう。
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